※置き傘

 

 

置き傘が折れた。

柄の部分が折れた。

雨が降っているのに、折れた。

長年使っていた物だった。

小学生の頃に買ってもらい、

それから10年は

使っていた物だった。

それが、折れた。

かすれて丸まった

名前テープが

虚しさを倍増させて、

私はどうしようもなく

悲しくなった。

とにかく、家まで使いたい。

家で捨てたい。そう思ったので

まだ開く事の出来そうな

生き残っている部分を

無理矢理開かせようとした。

が、開かない。

どうにもこうにも開かない。

私は溜め息をついた。

すると手からするりと

傘が落ちた。

いや、違う、持っていた所から

砂になっていた。

酷く青い砂になっていた。

みるみるうちに置き傘は

青い砂になり、

そして、突風に揉まれながら

ビルの谷間に消えてった。

一瞬の、出来事だった。

何と思えばいいか分からず

空を見上げてみると、

雨は上がり、

鬱蒼とした雲の間からは

青空が見えていた。

 

あぁなんだそういうことか。

 

と私は呟いた。

 

 

 

 

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Twitterでのお題、

書き初め『置き傘が折れた。』

を出させてもらったときに

一人で書いていました。

私が書くと折れた傘は

こういう風になります。

 

取り敢えずあれだ、

最後のもう一仕事の話です。